決済関連

新型コロナウイルスが収束に向かう中、決済事業の今後について

新型コロナウイルスの動向

2020年の初めから猛威を振るってきた新型コロナウイルス。一時期は全国の感染者数が連日5,000人を超えるまでに広がり、各都道府県で過去最多を更新し続けました。ただ、第3波に伴う緊急事態宣言が発令され、感染者数は減少傾向に、重症者病床使用率も低下し、ようやく収束に向かいつつあります。

また、この新型コロナウイルスに対するワクチンが開発され、欧米に比べて遅れていた日本でも医療従事者のワクチン投与が始まり、ようやくパンデミックの出口が見えてきたと言えるでしょう。

昨年末からのコロナウイルス第3波の感染拡大も、ようやく沈静化に向けて最後の山場に差し掛かっているといえます。

まだ予断は許されませんが、現実的には感染者数が減り、ワクチン投与が始まっているだけにその先を見据える動きも必要になっています。

新型コロナウイルスが収束に向かう中でのスマホ決済事業

東京オリンピックの実施可否、あるいは実施形態が次の大きな課題になっていますが、経済的な課題に向けたGOTO事業などの対応も必要になりつつあります。

新型コロナウイルスのパンデミックの中でも、比較的健闘してきたスマホなどによる決済事業。政府の後押しもあり、順調に拡大してきたといえるでしょう。

昨年の新型コロナウイルス下では、外出規制、夜の飲食店営業規制などによって、消費は落ち込みました。個人消費は縮小し、大きな支出で利用されるクレジットカードなどの利用金額は減少。しかし、小口を中心としてコンビニ、ドラック・ストアなどの決済手段において、スマホ決済などの利用は大きく伸びています。

ただ、スマホ決済の始まった2018年頃に比べると競争が激しくなっているため、決済業者間の統廃合も頻繁に行われてきました。

将来的には、楽天系(楽天pay)、ソフトバンク系(PAYPay、LINEPay)、ドコモ系(d払い)、au系(aupay)などキャリアの決済に収束されていく可能性が高いかもしれません。

スマホによる決済事業の今後の見通し

今後、コロナウイルスの収束は、このスマホ決済事業に対してどのような影響を与えるのか?コロナウイルスがワクチンなどによって収束していった場合に考えられるのは次のような点といえます。

  • コロナによってダメージを受けた個人消費はがすぐ回復するのは難しい。
  • 今後、昨年の新型コロナウイルスに対する一律10万円の給付が再びおこなわれる可能性は低く、今後も個人消費は停滞する可能性が高い。
  • 国家財政がコロナ対策によって世界的に赤字幅が拡大し。財政再建に取り組む必要のある中では、なかなか消費拡大に対する財政措置は難しくなる可能性が高い。
  • 金融政策的にも長期間超緩和を続けてきただけに、現在以上に緩和措置をとることは難しい。
  • 財政措置を伴わない消費支援策として政策的なスマホ決済事業の応援がおこなわれる可能性はある。

このように、新型コロナウイルスが収束していく中では、消費支援政策として決済事業の拡大に対する支援が生まれる可能性が高く、スマホなどを使った決済事業の拡大は期待できるといえるでしょう。

スマホ決済事業業界の今後の展開

一方、WEBおよびスマホなどによる決済事業業界では、統廃合を経て携帯キャリアを中心に競争が激しくなる可能性が高く、大手キャリア4社への統合が起こりつつあります。

すでに、ソフトバンクグループとLINEの統合が決まっており、必然的にPAYPayとLINEpayの一本化が予想されます。また、コンビニでもファミpayなどはキャリア系の決済事業者との提携に重点を置いており、将来的にはどこかの系列に入る可能性が高くなっています。

これにより、携帯キャリアを中心としたソフトバンク系(PAYPay、LINEpay)、ドコモ系(d払い)、au系(aupay)、楽天モバイル系(楽天pay)に絞られていく可能性が高く、その利便性の提供如何によって格差が生まれてくる可能性があるといえるでしょう。

現在では、PAYPayが先頭を走っていますが、まだまだスマホ決済市場はスタートしてから期間が短いだけに市場シェアの変動の可能性は高いといえます。

携帯料金引下げの利益補填としてのスマホ決済事業

総務省からの携帯料金の引下げ圧力によって、携帯キャリアの通信料金における収益は低下してくることが考えられます。それを補う収益源としてスマホ決済事業は各社ともに今後力を入れざるを得なくなるでしょう。

既存のカード会社の需要を取り込み市場が拡大していく可能性は高く、シェア争いは消費者に対するサービス競争になってきます。市場での競争が激しくなり、スマホ決済事業の利益率も低下する可能性はあるといえます。

しかし、市場規模が拡大していくことによってコスト率が下がる可能性が高く、各社の利益を支える存在になっていく可能性は高いと思われます。

逆にカード会社側から連携模索の動きが出てくる可能性もあり、クレジットカード業界における地盤変動も同時に起こってくる可能性もあります。

今後のスマホ決済事業には注視していく必要がある

将来的に、決済事業の市場が拡大していくのは間違いないでしょう。どのような形で着地するかはまだ不透明ですが、特にスマホによる決済については注視が必要となります。私たちの生活を豊かにしてくれるサービスなので、今後の展開に期待しましょう。