スマホ決済の使い方!若い人たちはこんな風に使っています
「スマホなしでは買い物をする気になれない」という人もいるのではないでしょうか。
調査会社によると、スマホ決済を普段の支払いに使っている人は、2022年1月に43.6%で、前年同月より2.4ポイント上昇しています。一方、クレジットカードと電子マネーは減少に転じているので、スマホ決済の勢いが際立ちます(※1)。
そこで、いわゆる今どきの若者がスマホ決済をどのように活用しているのかリサーチしました。
※1:https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2020.html
結婚式のご祝儀はスマホへ
日本経済新聞が結婚式のご祝儀をスマホ決済で受け取るカップルを紹介しています(※2)。年配者からするとまさに今どきの若者の行動と感じるかもしれません。
このカップルはいずれも30代で、結婚式に参加してくれる人たちにペイペイでご祝儀を受け付けると連絡しました。ただ参加者には年配者もいたため、現金でも受け付けました。
その結果、3分の1がペイペイご祝儀を選んだそうです。
※2:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB080VC0Y2A800C2000000/
ペイペイの個人間送金の仕組み
ソフトバンク系のペイペイ株式会社が運営するスマホ決済「ペイペイ」には個人間送金の仕組みがあり、このカップルが使ったのはこれです。
ペイペイの個人間送金は、厳密には「送金」ではありません。つまり現金をやり取りしているのではなく、電子マネーの「ペイペイマネー」をやり取りしています。
「送金」すると自分のペイペイマネーが減り、「送金」を受けると自分のペイペイマネーが増えます。
ペイペイマネーを現金にするときは出金という手続きが必要で、ペイペイ銀行であれが出金手数料は無料ですが、それ以外の金融機関で出金するときは1回100円の手数料が必要になります。
ペイペイの個人送金の使い方ですが、まずは送金する人が自身のスマホでペイペイ・アプリを立ち上げます。そこに送金先の人(ペイペイマネーを受け取る人)の携帯番号またはペイペイIDを入力します。
送る金額を入力して送信すると、送金者のペイペイマネーが減り、受け取った人のペイペイマネーが増えます。
送金は1円から10万円までを、1円単位で指定することができます(※3、4、5)。
※3:https://paypay.ne.jp/guide/send/
※4:https://paypay.ne.jp/store-media/knowledge/post-4/#:~:text=PayPay%E3%82%92%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%81%B0%E9%80%81%E9%87%91,%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
※5:https://paypay.ne.jp/help/c0042/
ピン札を用意する必要がなく、前金でもらえる
スマホ決済ご祝儀は、送る側にも受け取る側にもメリットがあります。
現金でご祝儀を包むとき、大抵はピン札(新札)を使います。ピン札を入手するには銀行などに行かなければなりません。スマホ決済ご祝儀ならこの手間が要りません。そしてご祝儀を受け取る側は、前金で受け取ることができます。
ご祝儀をスマホ決済で受け取るには、事前に結婚式の参加予定者に「ご祝儀はこのスマホ決済に送金して欲しい」と要請する必要があります。この要請は、結婚式の案内状を送るときに一緒に行うことができるので、結婚式より前に送金されることが多くなります。
結婚式会場によっては開催日前に料金を請求するので、その場合、結婚式を開くカップルは資金を確保しておかなければなりません。スマホ決済でご祝儀を前金で入手できれば、資金確保の負担がその分だけ減ります。
また、式場で現金を授受するのはリスクをともなうので、キャッシュレスなスマホ決済ご祝儀はその点でも有利です。
断然、家計を把握しやすくなった
家計簿をつけるにもスマホ決済は便利です。なぜならスマホ決済を使った支払いはすべてスマホ・アプリ内に記録され閲覧できるからです。しかもスマホ決済の履歴にはどこで買ったかも記録されます。
お金を貯めるには、そしてお金を効率よく使うには、さらに無駄使い減らすためには、家計簿をつけることが欠かせません。家計簿はお金の流れを見える化する仕組みであり、お金の流れがわかればそれを制御することができます。
ところが家計簿ほど、私生活の事務作業で面倒なものはありません。なぜなら家計簿は、すべての支出とすべての収入を、1件ずつ正確につけていかなければ意味がないからです。
しかしスマホ決済を使えば、少なくともスマホ決済で支払った分はすべてスマホで一覧できるので、支出の把握が楽になります。
つまりスマホ決済は、家計簿づけの苦労を減らしてくれるわけです。
若い人ほど、お金を貯めることと、お金を効率的に使うことと、無駄使いを減らすことは、人生の大きなテーマになっているはずです。スマホ決済を使って、家計簿をつけてみませんか。
「キャッシュレスの家計簿連動アプリを使うようになって無駄な支出が減った」という若者もいます(※2)。
「現金おことわり」完全キャッシュレス店の登場
スマホ決済のヘビーユーザーに支持されているのが、現金おことわりの完全キャッシュレス店です。
スマホ決済やクレジットカードなどのキャッシュレスを使える店でも、大抵は現金も併用しています。しかし「キャッシュレスのみ店」は現金が使えません。
それでもキャッシュレスのみ店が増えるのはなぜでしょうか。
キャッシュレス・ヘビーユーザーにはメリットが多い
キャッシュレスのみ店は、キャッシュレスのヘビーユーザーにはメリットが多いでしょう。
キャッシュレスのみ店は、現金を扱うコストから解放されるので、キャッシュレス・サービスを充実させることができます。キャッシュレス化とはIT化、デジタルトランスフォーメーション(DX)化に他ならないので、それは店の利便性を高めます。
例えば、キャッシュレスのみの飲食店が、注文もタブレットで受けるようになれば、そのまま支払いまで一気通貫で進みます。
タブレットに注文履歴が表示されるので、客は今現在の支払い額がわかります。例えば「今飲食をやめれば5,000円以内におさまる」といったことがわかります。
また、客席でキャッシュレス決済ができるので、わざわざレジのところまで移動しなくて済みます。スマートに立ち居振る舞うことができます。
またスマホ決済のヘビーユーザーは、現金でしか支払いができない店を不便に感じます。そのため、これから買い物したり飲食したりする店が、スマホ決済できるのかどうかいつも心配になります。
キャッシュレスのみ店が増えれば、その心配が減ります。
店側のメリットのほうが大きいかもしれない
そしてキャッシュレスのみでの運用は、店側にも大きなメリットをもたらします。
現金を排除できれば、受け取った現金を管理しなくてよくなり、釣銭を用意しなくてよくなり、現金を紛失させる事故もなくなります。
また、レジが要らなくなるのでレジカウンターが不要になり、店内を有効活用できます。さらに現金を取り扱う責任者が要らなくなるので人件費の抑制にもプラスに働きます。
ポイ活が熱い
若者がスマホ決済を使うのは、ポイ活に有利だからです。ポイ活とは、ポイントを集め、ポイントを使う経済活動のことです。
今ポイ活で注目を集めているのは、「スマホ決済+クレジットカード」です。
スマホ決済は電子マネーで支払いをすることになるので、その前に現金を電子マネーに変える必要があります。これをチャージといいます。
例えば、スマホ決済「楽天ペイ」では、クレジットカード「楽天カード」から電子マネー「楽天キャッシュ」をチャージすると、還元率が1.5%になります。その他の方法でチャージしたときの還元率が1.0%なので、「楽天ペイ+楽天カード」のほうがお得です。
この仕組みをもう少し詳しく説明します。
楽天ペイを使ったスマホ決済は、現金をやり取りしているのではなく、電子マネーである楽天キャッシュをやり取りしています。そのため、楽天ペイで買い物をする人は、自分の現金でスマホにチャージして楽天キャッシュを所有しておかなければなりません。
チャージは現金のほか銀行口座からも可能ですが、この場合の還元率は1.0%になります。
しかし楽天カードを使ってチャージして楽天キャッシュを入手すれば、還元率が1.5%になるわけです。
楽天としては楽天カードの利用を増やしたいので、還元率を上げることでこちらに誘導するわけです。しかもこれによって楽天ペイの利用増も見込めます(※6、7)。
※6:https://pay.rakuten.co.jp/campaign/2020/pointprogram/
※7:https://pay.rakuten.co.jp/guide/cash/
まとめ~素直に「やらなきゃ損」と考えてよさそう
キャッシュレスのみ店はこれから増えていくでしょう。新しいことを取り入れようとする経営者ほどキャッシュレスに関心が高いと思うので、面白い店ほどキャッシュレスのみ化していくかもしれません。
ということは、キャッシュレスを使いこなせないと面白い店で買い物や飲食ができなくなる、といったことも起きかねません。
ポイ活はスマホ決済などで買い物をするだけで金銭的なメリットが得られる仕組みであり、現金で買い物をしている限りそのメリットを得ることはできません。
若い人のやることを否定的にとらえがちな年配者もいると思いますが、スマホ決済の活用はデメリットを想定しにくく、メリットがたくさんあるので「真似しなきゃ損」と考えてよさそうです。